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【タマハハキモク】マーシャル諸島マジュロ環礁で大発生する海藻

【タマハハキモク】マーシャル諸島マジュロ環礁で大発生する海藻

ヒジキやワカメなどの仲間で最近人気のホンダワラ属「アカモク」とは違い、食用としては不向きな海藻『タマハハキモク』がここ数年で大発生しています。

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タマハハキモク

  • 学名:Sargassum muticum (Yendo) Fensholt
  • 和名:タマハハキモク
  • 属性:ヒバマタ目 ホンダワラ科

もともと日本で生息しているタマハハキモクが水産資源の輸出に伴い海外にも・・や、他国からの漁船関係が・・という説がありますが定かではありません。

タマハハキモクの茎全体にたくさん着いた気泡はほぼ球体で全長約2mほど成長をし、特に沿岸域で干満問わず水面近くに焦げ茶っぽいエリアがあればタマハハキモクの群体でしょう。

タマハハキモクは比較的波あたりの弱い漸深帯上部の岩上や人工基物の上に生育し、港の中などに大きな群落を作る特徴があるので、日本各地でも見たことがある人も多いかと思います。

これらの生息域の特徴から見ても閉鎖的で人工物が多い場所、マーシャル諸島でも首都、特にラグーン内であるのは納得できますね。

そして、雌雄同株で一つの生殖器床に雌雄両方の生殖器巣があるので急激に分布を広げる一因になったと考えられています。

このように数年前には全く見ることもなかった光景が今では目の前に広がっているのです。

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【タマハハキモク】マジュロ環礁で大発生する海藻

マジュロ在住でもあまり意識していないと気付かないかもしれませんが、海に関わる者としては数年前からの違いは明らか。本当に急速に成長をしています。

さて、閉鎖的で人工物が多い場所と書きましたが、以前からある大きな港(コンテナ船などが着岸)で発生しているかというとそうではない。

ここ数年ラグーン内外洋共に一面コンクリートで固められた波除けを施していますが、陸地ギリギリなので干満の差ではその下部は干潮時では底が現れ、満ちていくと徐々に隠れるという状態。

その周辺のガレ場などには常に逃げ場がなく浮遊物が溜まることとなります。

例えば、入り組んだ形の岩などを下から順に重ねただけ(以前のローカル風シーウォールなど)、または自然のままなら沿岸域は自然のフィルターを通すことが出来るので海水の浄化が可能です。

ですが、その自然の浄化作用が損なわれると溜まる一方で定着し、干潮時には多くの太陽光を浴び成長を続けます。

今では、強風の後には必ずと言っていいほど多くのタマハハキモクとそれに巻き付いたゴミが流れ着いています。

マジュロ内のホテルを例に挙げると、RREは干潮時でもコンクリートの波除の底は見えない海水深度を保ち、MIRの干潮時は砂交じりのガレ部が現れます。どちらが成長してしまうかということですね。MIRは以前岩状のガレなどを積み重ねワイヤーで固定されていただけの波除でしたが、2015年の大嵐に近い天候で大幅に削られ為にその後完全にコンクリートの壁に変更。RREも同様ですが、干潮時の壁下部水底の露出度合いが異なります。

MIRではそのコンクリート製の壁に変わってから急速にタマハハキモクが増え出した印象です。

発生源はどこであれ、それを助長させてしまう環境をあえて作っているとしたなら少し残念ですが、海藻の影響と日々の安全は比べるまでもありません・・・

陸続きの沿岸域だけではなく陸からすぐの少し沖のエリアも同様です。ただ、ボートで行くような離島は常に穏やかであってもこのようなタマハハキモクは発生していません。

タマハハキモクが与える被害

潮の干満問わず強風や波により茎から切れてしまい、またそれらが小さく細切れになり大きな状態のものと流れます。

大小問わず水面近くを漂うタマハハキモクは、ボートの船外機の冷却水経路に入り込む可能性も多いにあり得ます。

冷却水の取り込み口は小さいですが出口も小さい。この出口まですんなりと全てが排除されないかぎり何かに影響が出てもおかしくありません。

このタマハハキモクにより被害を受ける水中生物への影響は調査していませんが、海からあげたばかりのタマハハキモクにはたくさんの白い幼虫のようなものがついていたので何か今までには無かったような影響が今後出てくるかもわかりません。

そして民家付近はもちろんのこと、ホテルの目の前にも辿り着くので景観も損なわれてしまいます。

沿岸を守る一面フラットなコンクリート製の波除は強く今やとても重要ですが、どこかに影響が出ているのかも分かりませんね。もちろんこれが原因と断定はできませんが。

タマハハキモクが発生する前の様子

サンゴへのダメージはこのタマハハキモクが発生してからという訳ではありませんが、サンゴの周囲にタマハハキモクが定着し大きく成長するとどうでしょうか。

サンゴの光合成を妨げることとなるのは想像できますね。健康であるサンゴにも大きなタマハハキモクは脅威と言えるでしょう。

画像↑は10年前にホテルMIR前で撮影したものですが、こちら↓は現在の様子。

この状態で周囲に健康なサンゴのプラヌラ(サンゴの卵)が着床できるとは思えません。そして、タマハハキモクがサンゴの卵にどう影響するかは分かりませんがサンゴには決して良い環境ではないでしょう。

これらを除去するために海に入る人は現在皆無ですが、今後これらの影響を解明され改善されることを密かに願うのです。

今後更に大発生しても良い事は無さそうなので、早く気付いてくれることを祈ります。。。

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