穏やかな水面には、鏡のように空や島、人工物が映りますが、このページでは水中から見た水面(水面鏡)に関してお伝えします。
水中水面鏡写真とは
なぜ水中に映るのか
水面の物理的特性として「光の屈折」が挙げられます。
光が空気から水へ進入する、もしくはその逆に進行する場合、波長の違いに応じて一定の角度で水面で光の筋が折れ曲がります。また、水中から水面に対して極めて浅い角度で光が進入したとき、「全反射」と呼ばれる現象が起こります(浅い水中から真上を見ると反射はせず空が見える)。
この全反射という現象のもと、無風で波が起きないような条件下では、水面はまるで鏡のような状態となるのです。
※ 全反射の利用例でもっとも有名なのはインターネットの「光ファイバー」です。
水面鏡写真の種類
- 水中が映った水面部分のみ
- 水中とそれらが水面に映った状態/半分づつ
- 水中、水面、空や陸
大きく分けるとこのように3通りが挙げられます。
水中水面鏡写真が撮れる場所
水面が穏やかであること
水面が穏やかであることは絶対的な条件といってもいいでしょう。
多少水面が揺れても映りますが、画像の半分上(映っている部分)は揺れている状態になります。
鏡のような水面でシュノーケリングや水辺遊びをしたことがある方は多いはず。ですが水の中から目の前の水面方向を覗き込むことはないというのが一般的かと思います。
そこには違った水中の世界があるのです。
雨の日は避ける
前述のように水面のコンディションがとても重要です。
雨天時は、水面を揺らすことになり 更には暗くなるため避けましょう。
タイドプールや島影の穏やかな場所
カメラのハウジングのサイズにもよりますが、浅くても問題ありません。むしろ浅いからこそ、その場所を好む生物もいるため魅力的なのです。
ですが、浅すぎるとレンズポートが水面から出てしまうので気を付けましょう。
水面下すぐに対象物があるのが理想
対象物をできるだけクリアに写すには、近い方が良いのはイメージとして理解できるかと思いますが、ワイド(対 広い景観)とマクロ(対 小さな対象物)によっても変わってきます。
水面をはさみ上下に写るようにするには対象物が近い方が断然有利なのです。そうなると必然的に浅い場所になるかと思います。
干潮時が狙い目?
前述のように水面下すぐに対象物がくるようにするには、干潮時の方が確率が上がります。
場所によっては周辺を遮るモノ(サンゴや岩)が現れ、さらに穏やかになるでしょう。
画像上面(映したいモノ)が何かによってタイミングは異なります。
まずは足のつくところから
例えば、水底10mから大きなサンゴの根があり水面ギリギリまでサンゴが生息している場合、水面が穏やかなら撮影可能です。ですが足も手も支える場所がないのでかなり体勢が厳しくなるでしょう。
まずは、ゆっくりと安定した姿勢でカメラを構えられるのが理想ですね。
水中水面鏡写真の撮り方/見方
水面に映った水中を見る
簡単に言うと、水中から穏やかな水面を見るだけ。
この時、真上ではなく斜め前方というイメージです。
ダイビング以外では、特に深く潜ったりする必要は全くなく、頭を少し横にし前方上を覗き込むと水面が見えるかと思います。
そこには きっと水中の景観が映っているはずです。
カメラとハウジング
一眼レフ、コンパクトデジタルカメラ共に撮影が可能です。
レンズに見合ったポートが必要になりますが、一般的なワイドレンズとワイドポート、マクロレンズとマクロポートで問題なく写すことが出来ます。
撮影したい場所がかなり浅い場合、ポートやハウジングが思うように配置出来ない場合があるのでサイズと深度によっては変更が必要です。
ほぼ水面近くの場合にはストロボ等の明かりは必要ありません。
水中装備
スキューバダイビング、シュノーケリングセットでも可能ですが、体を安定させる為にもウェイトはあった方が良いでしょう。
水面をフラットに保つためにもスキューバ器材の使用は泡の排出が邪魔となるので、場所を決めたらシューケルに切り替えると良いでしょう。
まとめ
海へ行けばまず最初にアプローチする水面ですが、その裏には別の世界が広がっています。
このような水面に映った写真は思ったよりも簡単なので、まずはご自分の眼で水面に映った状態を見てください。あとはそこをパシャリとシャッターを押すだけ!
地球の表面の約70%は海水面ですが、今もどこかの水面にはまるで鏡のような光景が映し出されていることでしょう。
コメント
HIROさん
美しい!!
コロナが無ければカメラ片手にベタ凪のマジュロに今から飛んで行きたいですね。
どもー!
でもって、ビール片手に打ち上げの流れ!