海に囲まれたマーシャル諸島とはいえ、天然のアサリやハマグリは市場には出回っていません。沿岸域全てが海水で囲まれたマーシャル諸島は、汽水状態を好むこれらの貝には適した環境ではないのでしょう。
マーシャルでの食の貝といえば、マガキガイやシャコガイが瓶詰で販売されているくらいで日本で流通しているような新鮮なアサリやハマグリを購入することは出来ません。
イソハマグリとは
イソハマグリという和名ですが、一般的に知られている「ハマグリ」とは全く種類が異なります。
分類と特徴
- 分類:チドリマスオガイ科 Mesodesmatidae イソハマグリ属
- 学名:Atactodea striata (Gmelin, 1791)
- 和名:イソハマグリ
光沢のある三角形の殻、前縁に比べて後縁がやや尖る、楯面(じゅんめん)が小さい、水管は短い、同心円肋が発達し放射肋は見られない、生息域はごく浅い場所という特徴があります。
大きさは殻長25mmくらいが毎回採れる最大サイズでほとんどがもう少し小さい。最大で殻長40mmくらいまで成長するようですがまだそのサイズには遭遇していません。
また、オスメスの区別は外見からは判りません。
イソハマグリの分布域
分布はとても広く、西は東アフリカ沿岸、マダガスカルから紅海を経て、東南アジア、東はミクロネシアを超えてポリネシアまで、南はオーストラリア沿岸、北は日本の紀伊半島あたりまで分布しています。
浅場の砂浜なので子供達でも安全簡単に見付け出すことができますが、”それ”と気付くまでは時間がかかるかも。老眼が増してきた自分でも距離があるので良く見えます(笑)
イソハマグリの謎の赤い水管
トップ画像やこちらのように赤い入水管が分かると思いますが、「出水管よりも入水管のほうが色が濃いことが多い」ということが知られています。
残念なことに原因までは判っておらず、同様の現象は全く種類の違うバカガイなどでも確認されているようです。
多分個体変異なのか、色素を作り出すための餌由来の物質の過多なのではないでしょうか?
貝も謎が多いですね・・・
マーシャル諸島のイソハマグリを食す!
イソハマグリの砂抜き
アサリやシジミ同様に海水や塩水に浸け排出物や砂抜きをします。(海水が簡単!)
海水に浸すとみるみるうちに、ニョキっとした水管や足(べろ~んと出るヤツ)が伸び、砂や小さな排出物を出し始めるのが分かります。砂を感じたくないのでこの時間はある程度必要ですね。
その後、真水で流しながら殻ごと擦り合わせて汚れを取り除き調理します。
イソハマグリの味
一言で、
美味いッ!!!
誰もが知っているアサリやシジミの味にそっくりで、誰が食べても納得の美味しさ!
クセがなく上質繊細な風味が南国の風と共に体中を駆け巡ります。(←なんか下手くそ?(笑))
天然イソハマグリのボンゴレビアンコ
ボンゴレビアンコの作り方はググってください。
貝殻自体が小さく食べるのに邪魔なので、しっかりとイソハマグリのうま味を出し切ってから殻を外してパスタと和える方が食べやすい。殻は簡単に外れます。
小柄な貝なのでそれなりに量が必要ですが、アサリの缶詰(水煮)を使うよりは断然風味が濃いのは間違いなしッ!
天然イソハマグリの味噌汁やお吸い物
これが一番美味しい!と感じかもしれません。
「イソハマグリの味」がダイレクトに伝わってきます。出汁に合わせて整えますが、安心安全間違いのない上質なイソハマグリのエキスが味わえます。
【イソハマグリ】絶品!ビーチに生息する小さな白い貝まとめ
ここマジュロでは誰も食べていないので、有難く食べたい時に頂けますが、日本では準絶滅危惧種として指定されているようですね。沿岸域(浜辺)の埋め立てや海岸の護岸工事などの開発はこのような影響も出てくるのでしょう。
我が家では今や定番のイソハマグリの味噌汁。食卓に並ぶくらいはこれからもお世話になりたいと思いますが、食べる周期をコントロールしながらコンディションを保っていきたいと思います。
今回は小さな「イソハマグリ」をご紹介しましたが、味も見た目も元祖ハマグリにそっくりなもっと大きい貝もご紹介いたします。それも美味しいんですよね~
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