南国のビーチに広がる美しい ”砂浜” の【砂】とはいったい何なのでしょうか。
マーシャル諸島の砂の正体はいったい何?
砂は砂じゃん!と思われるかもしれませんが、砂と言っても様々。
砂の定義としては、直径が2mmから1/16(0.0625)mmの堆積粒子を砂と呼ぶようですが、それは大きさのことでしかありません。
マジュロに来た当時、近くのビーチから適当に砂を集めて調べたことがあります。
一見、それら全てを見ると単なる “砂” ですが、じっくり見てみると、様々な色や形、物質の違いが分かります。
代表的なものをあげてみると、
- サンゴの欠片
- 甲殻類の殻
- ウニの欠片
- 貝殻の欠片
- 有孔虫の死骸(殻)
- 水中生物の排泄物
などなど。
もちろんこれら以外の物質も含まれていますが見た目に分かりやすいのはこんな感じ。
ここマーシャル諸島は環礁というサンゴから出来たといっても過言ではない特異な環境から成り立っていますが、山がないためほとんどが 海からの堆積物で ”砂” ができている ことになります。
マーシャル諸島のビーチを作る砂の代表格はなんと言っても【サンゴ】ではないでしょうか。
マーシャル諸島のビーチ(砂浜)は何からできている?
代表的な5種をみていきましょう。
ビーチを形成するサンゴ
砂の物質としてのサンゴは一番想像がしやすいかと思います。
健康なサンゴ ⇒ 白化 ⇒ 藻が付着 ⇒ 衰退しガレとなり ⇒ 潮によってもまれ ⇒ 小さく削られる ⇒ 浅いビーチへと。
これは簡単な流れですが、もともとサンゴの骨格のほとんどが真っ白に近く光合成により表面の色はサンゴによって様々。白化した後、褐虫藻が戻らなければそのまま死んでしまい藻が付き始めます。
ガレとなったサンゴは周囲にもまれながら藻は取れ更に小さくそして砂へと形を変えていくのです。
ビーチを形成する甲殻類の殻
こちらも想像しやすいかと思いますが、カニやエビなどの殻も砂の一部として重要です。
砂に混じって小さなカニの爪も確認出来たりするので納得です。
ビーチ沿いで乾燥した甲殻類の殻を手にとってご覧になった方は分かると思いますが、とてももろくサクサクと潰れてしまいますね。その小さな欠片も砂の一部となります。
ビーチを形成するウニの棘や殻
ウニの棘はすぐに折れてしまいますが、特に立派なのは紫色をしたパイプウニ。このパイプウニはとても丈夫でそう簡単に折れることはありません。ですが、長年水中自然にもまれていると小さく形を変えこれらも砂へと変わっていきます。
画像のパイプウニの他にガンガゼやウニ全般も同様です。
ビーチを形成する貝殻
こちらもご想像がつきやすいかと思います。ビーチ沿いを歩きながらキレイな貝殻を拾い集めた方もいらっしゃるかと思います。
お!と思い手に取って良く見てみると角が欠けていたりほんの一部だったり。
その欠けていた部分などが更に細かくなりビーチの砂の一部となっています。
ビーチを形成する有孔虫の死骸(星の砂)
有孔虫の死骸とは一般的に知られている【星の砂】です。
この星の砂はマーシャル諸島でも珍しくはなく水中・ビーチ沿い問わずいたるところに散らばっています。
マジュロ環礁内のとある離島のある一角の砂地エリアでは全てがこの星の砂。
正直言ってマジュロ環礁内でもそんな場所は珍しく、1m2ほどの一ヶ所で大量の星の砂をすくい上げることができてしまいます。
マーシャル諸島のビーチを形成する水中生物の排泄物
スキューバダイビングをされる方は、ブダイがサンゴをガリガリとかじっている様子をご覧になったことがあるでしょう。
これはサンゴの中の栄養分を吸収しその他は排泄物として排出しています。その細かさはまさに砂と同等またはそれ以下のサイズを排出しています。
また、釣りをして自分でさばいていると胃袋内に砂混じりのザラザラとした内容物がうかがえますが、これは水中生物が砂になる物質を作り上げるというより前述のように、サンゴや甲殻類、砂自体を口に含む(餌として)為、内容としては先程と同じです。
ビーチの砂っていったい何?【マーシャル諸島の砂の正体】まとめ
砂といっても、様々な構成物で成り立っていることがわかります。
山もなく標高の低いマーシャル諸島は陸地がとても狭い。沿岸の砂地が削り取られるだけでも陸地面積は次第に縮小されていくことでしょう。
店内でも貝殻やサンゴを飾っていますがそれはいつでも自然に戻せる環境だから。もしも皆さんのおうちに貝殻があり興味がなくなっても貝殻をゴミとは思わず、自然、出来れば海に返してあげてください。
その貝殻で直接何かが救われる訳ではないかもしれませんが、自然のものは自然に還るべきであると思っています。
いつかどこかのビーチに行かれたら、たまには ”砂” をじっくり見てみてくださいね。
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