画像のように太陽光が雲間から筋のように伸びる現象を【光芒/こうぼう】といいます。
その時々の大気の状態によって、地表に向かって放射線状に伸びたり、空高く上方へ向かって伸びたりと姿を変えて現れる神秘的な自然現象の一つです。
※ このページでは「光芒/こうぼう」と記しお伝えします。
光芒の呼ばれ方
- 光芒(こうぼう)
- 薄明光線(はくめいこうせん)
- 天使の梯子(てんしのはしご)
- ヤコブの梯子(やこぶのはしご)
- レンブラント光線(れんぶらんとこうせん)
- God Ray(ごっどれい)
- 後光(ごこう)
天使(ヤコブ)の梯子
旧約聖書の登場人物ヤコブが夢に見た天と地を渡す梯子になぞらえてこう呼ばれています。
レンブラント光線
レンブラント・ファン・レインという画家がこれを好んで描いたことに由来するそう。コントラストが強く、光の当たる部分と闇の部分との対比が強調された非日常的な雰囲気や宗教的な神々しさを表現することに成功したと言われてます。
その他は、何となく分かるかと思います。様々な呼び方があるようですが、やはり一般的なのは「光芒/こうぼう」や「後光/ごこう」ではないでしょうか。。
光芒はなぜ起こる?
光が筋になって見えるのは、雲の切れ間から差し込んだ光が、大気中にある塵や水滴によって乱反射するから。それによって光の通り道がくっきりと浮かび上がるのです。
光芒が伸びる方向は雲の切れ目の状態によって決まります。太陽が低い位置にある場合には、雲をはさみ上下に大きく広がる光芒などその時にしか見ることの出来ない幻想的な自然現象に出会えることも。
※ 塵や水滴のない澄んだ大気の中では見ることが難しい。例えば、モヤが大気に多い日本ではいたるところで美しい光芒が見られますね。周囲の見える環境は別として・・
なぜ光芒が放射線状に見えるのか?
これらをパッと見た時に、すぐに感じるのが放射線状に伸びた光の筋でしょう。なぜ放射線状なのか。
これは単純に遠近法の効果によるもの。
一本一本の光は、はるか彼方の遠方にあるたった一つの太陽から届くので、ほぼ平行線を描くはずです。例えば、遠くまで真っ直ぐに伸びる2本の電車の線路が、遠くでは一点で交わっているという現象と同じです。
ということは、遠くであるほど幅が狭く、近づくほど広く見えるというわけですね。
マーシャル諸島で光芒を見るには
南国特有のスコールはここマジュロ環礁でも普通のこと。全く降らないこともありますが。
空全体が暗く雨雲で覆われるような時には無理ですが、若干モヤ~っとした空の中に通りすがりの雨雲がある夕方は高確率で見ることが出来ます。
マーシャル諸島でも頻繁に見ることの出来る「光芒」ですが、そんな時にはカメラを持っていないことが多いのです。。。
コメント
光芒についての推察、素晴らしい。
この言葉の語源が旧約聖書
やレンブラントの表現からきているとは初めて
しりました。
日本の文学などでどんなところで使われているのか
知りたくなってきました。
これらのことを自分の知識の中に埋め込むのは
ちょっと無理がありますので、さっそくプリントアウト
させていただきました。
幾度か読み返しながら、この美しい写真と
知識を埋め込んでおきます。
そしていつの日かおとずれて
その感動を得たいと思います。
ありがとうございまーす。
光芒のネット検索で
身近なところで
宮沢賢治の詩集に描かれているとのこと。
早速斜め読みをしてみると
「ひかりのパイプオルガン」
と表現されていました。
なるほどなーと感激いたしました。
ネットで検索すると
すべてを知った気分になるので書籍を手に入れ
読んでみたい気分です。
でもふっと
宮沢賢治の生きた時代に、もうすでに
日本にパイプオルガンなるものが
入っていたのかなあー。
宮沢賢治は、どこであの時代
パイプオルガンの音色を聞いたのだろうか?
ふと、そんなことを思いました。