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船外機のチルトモーターブラシ交換【動かないパワートリム&チルト】

船外機のチルトモーターブラシ交換【動かないパワートリム&チルト】

船外機がスイッチ一つでウィ~~ンと角度を上げて水面まで上がってくるチルトモーターが調子悪くなった時の対処というか作業内容です。

使用しない係留時はもちろん浅場のサンゴエリア、ビーチ沿いに行く際には船外機の角度を変え水中物とぶつかってしまわないようにします。

ですが、調子が悪いと上がってくれません。

それでは、原因も踏まえ、直していきましょう。

画像のモデルはYAMAHAとなりますが、HONDA、SUZUKI等どれも原理は同じです。
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作動しない原因

  • 電力がきていない
  • モーターとブラシ接地面の汚れ
  • ブラシの消耗
  • ブラシスプリングの弱さ
  • スイッチの故障
  • オイル不足
  • リレーの故障

などが上げられますが、多少でも動くなら電力は問題なし。そして、カバー越しにコンコンと刺激を与えてから動くようなら電力に問題なし。

ですが、数時間、数日でまた動かなくなってしまいます。そんな時はバラして掃除、もしくは部品の交換になります。

こんな小さなパーツが意外と高い・・・ ですが、新品の動きは格段に違います。

今回は、掃除で終わらそうと思いましたが、結局ブラシ交換をすることに。

前述のようにチルト上下不可の原因は多々ありますが、ここからはブラシ交換の方法をお伝えします。

画像左の薄黄色で覆われているのは汚れ防止の為スプレーグリスで保護しています。これを塗布しているとその部分は全く汚れないのでオススメですが、取り除くのがちと面倒。

では、注意点も踏まえて交換方法をみていきましょう。

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ブラシ交換

モーターアセンブリの取り外し

ピンク矢印のケース内にモーターが入っています。この黒いケースを取り外しますが、その前に電気系統は全て外します。

バッテリーをオフ(またはケーブルを外す)にし、モータアセンブリケースから出ているケーブルを辿り外します(画像右では青と緑のケーブル)。

次に各ボルトを外しますが、それだけではケースは簡単に外れてくれません。

青矢印を境に外しますが、スクリュードライバーの後ろ側などで斜め上を突くように刺激を与えて外していきます。(内部にはOリングがあるのみで特別締め付けているものはありません)

決して隙間に何かを差し込んで開けないように。今後水が浸入してしまう原因となってしまいます。

外した後のボート側は、ゴミ等が付着しないようにラップやアルミホイルで覆っておくといいですね。

ケースを外す際には決して、隙間に何かを突っ込まないように!

外したケースを開ける

ケースを外したら、緑矢印部分を境にパカっとカバーを外しましょう(画像右)。

この時も隙間に何かを突っ込んで開けないようにしましょう。

ブラシのチェック

すぐに気付くのが、ブラシの位置。

船外機のチルトモーターブラシ交換【動かないパワートリム&チルト】

青矢印の先のブラシは中心に寄っていて(正常)、右のピンク矢印のブラシは止まったままの状態(問題あり)なのが分かるでしょうか。

この内部には2ヶ所にブラシがあり、これらのブラシがピッタリと黄色のモーター側を挟み込んでいる状態が正常なのです。ですが、このピンク側のように止まっていれば接地出来ていないことになりますね。

このブラシを押し出すようにスプリングが入っているのですが、大抵の場合スプリングには問題がなく、ブラシの消耗によるカスなどの詰まりや、ブラシとケースのスレによる小さなキズがあり引っ掛かる等が問題です。

ブラシを新品に交換し、スプリングは交換しなくても問題ない場合がほとんどです。

ブラシの減りが少なく押してすぐに戻るようなら、キレイに掃除をすればそのまま使用可能。減りが目立ち押して戻りが悪ければ要交換を目安にしましょう。

ブラシ交換とアーマチュアアセンブリをチェック

船外機のチルトモーターブラシ交換【動かないパワートリム&チルト】

こちらはケースからアーマチュアアセンブリ(茶金色)を取り出した状態です。

取り出す際には磁石によってガッチリとケース内に収まっているので簡単に手では取り出せませんん。先端をキズ付けないようにバイスプライヤーで固定し引き出します。

※画像内のブラシは新品に交換済みです。

セットしたブラシがピッタリと黄色矢印部分と密着するのですが、もしもこの付近が黒くくすんでいたり汚れていたらキレイにしましょう(1500番くらいの細かい目の紙ヤスリでOK)。

ブラシ交換するだけなら、ケースからモーターを取り出す必要はありません。今回は全体の掃除も兼ねて取り出しています。

ブラシ交換後ケースに戻す

船外機のチルトモーターブラシ交換【動かないパワートリム&チルト】

やり方①

中心に寄ろうとする両ブラシでこのモーターの軸を挟み込まなければいけないので、これがちょいと難しい。

モーターの中心の軸は右のフタの中心に通します。

ですが、スプリングによりブラシが中心に寄ろうとするので、モーターの軸周りに来ない。

両茶色のケーブルに細いワイヤーを引っ掛け(画像内ではピンクのように)、ブラシを押し込む状態にしないとモーターが入らず蓋も閉まらない。

ブラシを押し込む=端から引っ張る

両方のブラシを端に寄せたまま、モーター側のケースを被せ、 蓋がハマりきる直前で両ワイヤーを引き抜き完全に蓋を閉める。

ワイヤーを抜くと同時に内部では各ブラシがモーターの軸にピッタリと接しています。

これで完了。

・ワイヤーの代わりに強くて細い釣り糸でも可能です。
・この作業だけは一人では難しいので誰かに手伝ってもらうか、ワイヤーを足でコントロールします。

やり方② オススメ!

先程の①では正直面倒ですよね。内部のブラシ接地面が見えていないので若干不安でもあります。

なので、コイル状のモーターを先にブラシで挟んでしまいます。そうすると薄いスタ側から先端が出てきますね。そのマイナス形状部分をロッキングプライヤーでしっかりと固定します。

この状態で、ブラシはしっかりとモーター接地面と触れた状態を保っていますね。

プライヤーでしっかりと固定したまま、ケースを被せます。この時強い磁力によってケース内に入ろうとするので、プライヤーでしっかり固定しておかないと折角ブラシが接地してたのに外れてしまいます。

モーター接地部分に2つのブラシが固定されたままケース内に全体が収まれば完了です!

もちろん独りで出来るし簡単ですね!

動かないパワートリム&チルトの他の故障例

動かない、または、たまに下げるのは可能、たま~に上げるのは可能やまたはその逆だったり。

そういった場合には、「リレー」というパーツの故障が考えられます。

このリレーは、配線別に上下の動きに切り替えて認識し動かす司令塔の役割をしてくれるのですが、この内部の接地や動きによりチルト側への信号ができなくなります。

内部の修理は正直不可かと・・しかもなかなかのお値段。。

少し振動を与えるのは有りなのでそれで動きが変わるならラッキーですね。

リレーの設置場所は船外機の馬力により異なりますが簡単に見付かります。ちなみに115や150馬力も同じリレーを使われているので、115馬力専用のリレーというのはありません。

通電・動作確認

そして、肝心の通電確認。元気にモーターが回れば交換作業は完了です。

あとは、船外機側に戻します。この作業何度してることやら・・・ ですが、元気に上下する姿は頼もしくも見えます。

そしてこの作業、足が地に着き、ある程度穏やかなら上架しなくても出来るので動きが悪い時にはサクっと作業してみてください。

ちなみにパーツナンバーは年式、馬力等で結構コロコロ品番が変わるので確実に確認してから購入してくださいね。

コメント

  1. KOSUKE より:

    マニアックなことしてますね。
    エンジン修理は陸に上げてから危ないですよ!

    マーシャルの人はよくモーターごと交換してしまいますが、
    ブラシ交換で直ることも多いんですよね。
    もったいない。

    • HIRO より:

      電気系統解除すれば大丈夫ですよ~
      もちろん陸の方がやりやすいですが、メインは外してからの作業なので。
      ブラシ交換どころか、掃除で直ることも多々あります。
      けど、売ちゃった方がいいのでは??(笑)

  2. tamoru より:

    こんにちは、初めましてですが掲載の通りチルトモーターを取り外し修理してみました。
    がしかし、通電して動作確認モーターは元気よく回り始めましたが、いざ本体に付けてみたが
    なにかモーターだけが空回りしているようです。本体に付けるときに何か不具合があったのだと思いますが当方で原因が分からず困っています。
    何か良いアドバイスをお願いします。

    • HIRO より:

      amoru様
      コイル状のアーマチュアアセンブリの先っちょ部分がマイナス形状になっていると思いますが、その部分が本体側のコネクタシャフト部分(マイナス状の溝)に、はまっているかどうかが考えられます。その部分がはまっていないと連動はしてくれません。
      はめ込む際には両方の角度を揃えておくといいかもですね。

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