ミリ環礁へ行ってきました。
今回の目的は平和地蔵尊の修復です。
国内線のミリ島行きを押さえてた日が偶然にも終戦記念日。
トップ画像は去年2018年3月の慰霊行に同行した際のものですが、頭部は胴体部と外れ上に乗ってるだけ。
日本人が誰も訪れない普段は取り外されています。
こちらの地蔵尊は1980年9月に石川県ミレー(ミリ)会の方々により建立されたもの。とても穏やかで優しい表情をされています。
その後2012年2月に頭部落下が確認され接着剤にて修復されました。その後また脱落。
この修復のお話がこちらにあり頭部を拝見してみると接着剤で修復されたところはそのままで新しい断裂面が見て取れます。
最初の計画は頭部と胴体首部にステンのボルトを埋め込む予定でしたが、万が一今以上に破損した場合を考慮し急遽接着にて対策する事に変更。と依頼があり。
地味~に御影やタイル、コンクリートにも穿孔可能な細いホルソーも日本から準備しここでも何度か試し作戦を練っていましたが、、、 けど安全第一。
そして今回心配なのは 雨。 写真のように快晴が続いてくれました。
さらに心配してたのは塗装・エポキシ・FRPなどの作業には必需品のアセトンという脱脂剤の持ち込み。ですが小さなクーラーボックスで入れて持っていくと重さを測り終了・・・
単純に接着剤を塗布し頭部を乗せれば完成!ではなく、古い接着剤を取り除きしっかりと脱脂をし位置合わせをした後、モルタルで周りを覆います。
これだけの作業でも持ち込む物は結構あり時間も足りないくらい。
限られた3時間(実質2時間半)の作業時間では焦るばかり。
頭部を接地するも長年の経年劣化にて隙間が大きく接着剤では隙間が埋まりません。日本の専用のエポキシ接着剤が使えれば乾燥も早いんですけどね・・・
という訳で、隙間をしっかりと密着させる為にパテタイプのエポキシ剤を使用します。
完全硬化まで雨の心配もあるので今回は水中でも硬化するタイプを使用します。これは陸で使用すると通常よりも硬化時間が短縮出来ます。
少し多めに胴体首部全面に塗布し位置を合わせ圧着します。はみ出たエポキシをツラ面で整えテープで圧着固定し手に着かないくらいまで硬化を待ちます。
この時間がとてももどかしい・・・ いくら快晴とはいえそんなすぐには固まりませんからね・・・ 機体を待たせてるし・・・ その間土台等の欠損部分をモルタルにて修復。
搭乗までの時間を逆算し首部周りもモルタルで覆います。
モルタルやセメントペーストは半乾き状態なら結構形成しやすい。コンクリートは砂利(石)が加わるのでボロっと取れてしまいますけどね。もちろんこのような作業では砂利は入れません。
モルタル自体は完全とはいいませんが乾燥は比較的早いので表面が乾いたら御影調のスプレーを施し最後に再度テープで固定。
見た目なかなかキレイに仕上がったでしょ。
塗装は年月が経てば取れるでしょうけど多少は保護にもなるでしょう。そして周囲のモルタルも乾燥後ヒビや剥離があるかもしれませんがギリギリの面までエポキシで圧着しているので維持出来るでしょう、誰も触らなければ。。。
この段階で搭乗15分前。同時に片付けをしながらこの土地の酋長さんご家族に今後をお願いし走って空港へ。本当は完全硬化を自分の目で確認したかったのですが。。。
最後は手を合わせるくらいしか時間の余裕がありませんでしたが、日々 ミリ環礁ミリ島の静かなラグーンを見つめる地蔵尊にこれからも平和が続くよう見守って頂きたいと願っています。
ちなみに固定用のテープは念の為2日後に外して頂くようにお願いをしています。
地蔵尊自体がすでに長い年月が経ち、首部分も細い作りなので今後どうなるか分かりませんが誰も触らない事を祈ります。
地蔵尊自体がすでに長い年月が経ち、首部分も細い作りなので今後どうなるか分かりませんが誰も触らない事を祈ります。
さて戻りですが、マジュロ上空から見るマジュロは何だかダークグリーンに見えてしまいます・・・ さっきまでエメラルドブルーをすぐそこで見てましたからね・・・
多くの人が住み発展していくとその差は歴然。
今回はミリ島での作業について書きましたが次回はハプニング?をご紹介します。
お楽しみに!!?
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