白化したサンゴを先日撮影してきたのでご紹介します。
サンゴの白化は皆さんもご存知の通り、健康ではない信号を発している状態の事を表します。
ネット上では様々な白化に関する情報がありますが、このサイトではマーシャル諸島、とくにマジュロ環礁についてお伝えしたいと思います。
先月2019年10月初旬に若干色の変化が起こり始めたテーブルサンゴ。その後エダサンゴにも変化が。
11月初旬には広いエリア、とくに外洋からチャネルに掛けて全体が真っ白に。11月半ば(現在)にはところどころに藻が着き始めました。
褐虫藻が抜け出し真っ白になったサンゴに触れてみると、まだヌルヌルとした保護膜を覆っている事が分かります。褐虫藻が戻ってくればまた元気なサンゴになるでしょう。
ですが、そこに藻が着き始めると褐虫藻は戻ることはなく、他のサンゴが産卵した後に着床することも出来ません。
藻が全体を覆うとそのままガレになってしまうだけなのです。
エダ状よりもテーブル状の方がダメージを早く受けるように見えるのでが、この外洋エリアでも藻の付着は断然テーブルサンゴの方が早く藻に覆われてきています。
このままいけば外洋一体がガレ場になるかもしれません。そしてその周辺を住処にしていた生物達も離れてしまうのです。
白化原因とは
● 海水温上昇: 以前は水温29度台を保っていましたが、現在では30度を少し超えた水温が続いています。
● 水質の変化: 漁船からの汚水、居住区・工業エリアからの赤土(マーシャルではありませんが)、排水、科学物質等によるものなど。
● サンゴ内部の褐虫藻光合成不足: ゴミ、とくに布、オムツ、ビニール袋が覆い被さり光を遮断してしまいます。それらを取り除くと真っ白なサンゴが現れます。
● オニヒトデ: サンゴを食す代表的な生き物ですが大量には発生していません。
● ホワイトシンドローム: 感染症
● それらを含むあらゆるストレス
などが挙げられます。
今回とくに白化が目立つはサンゴは
● 外洋エリア: ハナバチミドリイシ、コイボミドリイシ、トゲスギミドリイシ など
● ラグーン内: コブハマサンゴ、パラオハマサンゴ(一部) など
今回はラグーン内のサンゴのダメージが少ないことが以前との違いでもあるように感じます。
今まで何度かサンゴの白化を見て来ましたがそのエリアはガレになるのみ。今回のエリアでの白化は初めてで、80%は健康なサンゴが広く生き残っていました。それらにもとうとう変化が来てしまいました。
サンゴの役割は思った以上に人々に関わっていることを忘れてはいけませんね。
もう手遅れですけど・・・。
こちらにも発信しています。ご覧くださいませ。⇒ CORAL BLEACHING
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