パワーインフレーターの調子が悪い時といえば、
・BCDの中に自動で空気が入る
・スーっという音でどこからともなく空気が漏れている
この2つが代表的な例かと思われます。今回は BCDの中に自動で空気が入る 原因を調べながら直していきたいと思います。ほとんどタダで直ってしまいますよ。
※ 形は違うタイプ(普通のパワーインフレーター、Air2)でも中圧ホースから吸気するパワーインフレーターはほぼ同じ原理です。
エア漏れがある場合はこちら

パワーインフレーターの自動吸気を直す
バラシ作業

まずは画像左のように丸いフタを外します。外し方はマイナスドライバーやコインで簡単に回ります。
フタを外した状態が画像左ですが、ピンクの矢印の先に金具があるのでマイナスドライバーで外します。※ この時、内部にスプリングがありテンションが掛かっているので反対側の丸い吸気ボタンを押した状態で緩めましょう。
自動吸気されてしまう原因
画像右はその金具を外した状態です。丸いはずのOリングが潰れてしまっていて形が変形したままとなっています。これが自動でBCD内に吸気されてしまう原因です。
画像左のピンクの矢印の先に丸い穴が見えると思います。
この丸い穴までエアが送り込まれていて、Oリング付き金具でフタをすることにより密封しているのが正常な状態です。
ですが、Oリングが変形していたり劣化していると密封されず、この丸い穴からエアがBCD内へと勝手に送り込まれるのです。
・Oリングの劣化により密封されていない
・スプリングの戻る力が極端にゆるく、密封されない
Oリング交換
ここでのOリング交換は2ヶ所のみ。
画像左は古いOリングを外した状態ですが、スルっと外れずにボロボロと削り取る感じで除去していき周囲を掃除しました。簡単に外れる場合はそのまま新しいOリングと交換するだけでOKです。
画像右のようにこちらにも新しいOリングと交換します。
組立時の注意

元の通りに組み立てます。
画像で説明するとまずピンクのボタンの先にスプリングを通し、パワーインフレーター内へハメ込みます。
スプリングが戻ろうとしますが、画像下のようにピンクのボタンを押し続けながら、マイナスドライバーでOリング付き金具を締め付けます。

反対側からボタンを押すとネジ切り部分が完全に現れるのでOリング付き金具がハメ込みやすい。
注意としては、締め過ぎるとネジ切り部分が簡単に折れるので適度な力加減で行いましょう。
その後、フタを閉めて完了です。これでBCD内への自動吸気は解除されました。
このSプロのAir2は、使用されてる方も多く内部のOリングのみを交換するだけでかなり長期間使用できますね。
他のパワーインフレーターの場合
どんなパワーインフレーターも同様です。
吸気ボタンから内部を外します。このタイプはボタンの奥の金具に二ヶ所の凹みがあるのでそこを利用して回します。
画像右:ボタンに触れないようにロングノーズプライヤーを曲げて専用工具にしています。このサイズのプライヤーは細いので万力があれば先を固定し柄の部分を曲げれば簡単に変形します。または先端付近をペンチ等で固定しても曲がるので、左右同じような形に仕上げましょう。
そのプライヤーの奥の金具の凹みに先を差し込み反時計回りに回せば簡単に緩みます。
全て取り外したパーツがこちら。

画像内上のパーツの左に凹みがありますね。そこにプライヤーの先を差し込み回しました。
古いOリングは全て外し、各パーツをワイヤーブラシ等でキレイにします。ここでは4つのOリングがありますね。新しいOリングにグリスを付けて交換したらあとは組み立てるのみ。
基本的にはバラした順に置いていけば組立も簡単です。
各パーツを取り外す際に、特殊工具が必要と思われるかもしれませんが全くそんなことはありません。身の回りの家庭用工具などをちょいと工夫してみましょう。
水中で自動吸気された場合
ダイビング中に勝手にBCDが膨らんでしまう場合は、インフレーターホースを抜きましょう。再度水中で差し込み装着すると一時的に直る場合もあります。
それでも自動吸気されてしまう場合は抜いたままにしオーラル(自分の息で)でBCDをコントロールします。
水中でホースを抜いても特別危険というわけではないので落ち着いて対処しましょう。
まとめ
どこのメーカーのどんなパワーインフレーターでも吸気ボタンに付随するパーツ全てを外しましょう。取り外す際は順に置いていくと組立時に迷うことがありません。
パーツ全てをキレイにし、全てのOリングを交換します。元々あったOリングと同じサイズとし交換時にはグリスを全体に塗りましょう。※自動吸気の直接の原因となる部分のOリング以外も交換します。
余裕があれば、どこからエアが出ていて、どうすれば密封できる (エアが漏れない)のか確認していくと作業効率が良くなりますよ。
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